- 依頼者 50歳(女性)
- 状況
依頼者は,母親(被相続人)を長年にわたって自宅で介護し続けたが,もう一人の相続人(姉)は,母親の生前には何もしなかったのに,きっちりと遺産の半分を要求してきた。 - 弁護結果
依頼者の介護行為を寄与分として正当に評価した上で,遺産分割協議を成立させた。
- 相続が始まったが、相続人の間で話し合いがまとまらない。
- 相続人の間で話し合いがまとまらないので、裁判手続を進めたい。
- 相続人の間で話し合いをしたいが、相続人の中に行方不明の人や精神障害があって話し合いのできない人がいる。
- 自分は相続人だが、相続をしたくない。
- 自分は相続人なのに、遺言で相続分がなくなった、もしくは、大幅に減少した。
- 遺言はあるが、本人は認知症で、遺言を書けたはずがない。
- 自分の死後、相続人の間で紛争が発生するのを予防したい。
1 遺産分割協議
相続は、被相続人の死亡によって開始されます。誰が相続人に該当するかは法律に定められていますが、被相続人の遺産をどのように分けるかは、遺言がなければ相続人間で話し合い(遺産分割協議)をする必要があります。
遺産分割協議がまとまらない理由は様々ですが、生前贈与をどのように評価するか、(特別受益の問題)、また、例えば、長年にわたって被相続人を介護してきた相続人がいる場合にその介護行為をどのように金銭評価するか(寄与分の問題)、相続財産の横領、隠匿が疑われる場合などが典型的と思われます。
2 遺産分割調停・審判
このように遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割の調停、審判を申し立て、遺産分割手続を進めていくことになります。なお、寄与分については、遺産分割の調停、審判とは別個に寄与分を定める調停、審判を申し立てる必要があります。また、相続財産の横領の問題は、別途、民事事件として損害賠償請求する必要がある場合も多くあります。
3 不在者財産管理人・失踪宣告・成年後見の申立て(遺産分割の前提問題)
ところで、上のような遺産分割協議や裁判手続を進めるには、相続人全員が関与して進めていかなければなりません。相続人の中に行方不明者がいても、また、精神障害のため判断能力が十分でない者がいる場合でも同じです。
前者の場合、不在者財産管理人の選任か失踪宣告を申し立てた上で、また、後者の場合、成年後見の申立てを経た上で、遺産分割協議を進める必要があります。
4 相続放棄
また、相続が発生したとしても、相続をしたくない場合もあります。相続によって取得する財産は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金など)も含まれますので、総合的に考えると、相続すると損失が出てしまう場合が相続をしたくない場合の典型です。また、そうでなくても、被相続人や他の相続人との人間関係を理由に相続したくない場合があります。
このような場合、自らに相続が発生したことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に対し、相続放棄の申述を申し立てなければなりません。
なお、この3か月の期間を経過しても、例外的に相続放棄が認められる場合があります。
例えば、3か月経過後に初めて被相続人の借金を知った場合で、3か月以内に知ることができなかったことにつき、やむを得ない事情があり、かつ、被相続人のプラスの財産を処分していないような場合です。この場合には、3か月経過後でも相続放棄が認められる可能性がありますので、相続放棄を諦めないで、専門家に相談するべきです。
5 遺言書の作成
これまでの話は相続をする側から見た問題でしたが、相続をされる側も、予め相続に備えることはできます。
そのための最も有効な手段が遺言書の作成です。
遺言書の方式は、自筆で作成する自筆証書遺言と公証役場で作成する公正証書遺言が大部分です。公正証書遺言は公証人が作成しますので形式面の心配は要りませんが、自筆証書遺言の場合、法定の形式に従って作成しなければ、遺言の効力が認められません。
また、内容面においても、相続人間で紛争を生じさせないためには、生前贈与がある場合の取扱いや遺留分にまで配慮した遺言を作成する必要があります。このような内容面への配慮は公証人がしてくれることではなく、遺言作成者がしなければなりません。
このように、形式面と内容面の両面に配慮し、初めて遺言書作成の目的が達成できるのです。
6 遺言無効確認,遺留分減殺請求
このような遺言を相続人の立場から見た場合、よく起こりうる問題が、二つあります。
一つは遺言の有効性が争われる場合で、もう一つは、遺留分の問題です。
遺言の有効性が争われる場合には、例えば、遺言者が認知症で、遺言の意味内容を理解した上で遺言書を作成したとは考え難い場合(遺言無能力)や遺言書が第三者によって作成された場合(偽造)などがあります。このような場合、遺言無効確認請求を裁判所に起こさなければ、法定相続分に従った相続分を主張することはできません。
また、遺言が有効であることを前提としても、当該遺言内容が遺留分を侵害する場合、遺留分減殺請求をする必要があります。遺留分減殺請求は、相続開始を知った後、短期間(1年)のうちに意思表示する必要があることに加え、遺留分を誰に対して主張していくか、また、遺留分侵害額の計算など、非常に高度な専門性が要求されるめ、専門家のアドバイスを受けて進めるべきといえます。
当事務所では、相続問題でお困りの方を全力でサポートする体制を整えております。初回の相談は無料ですので、何かお困りの方はお気軽にご相談ください。
相続の解決事例
- 依頼者 40歳(男性) 子供なし
- 状況
妻(被相続人)の生前、収入の全てを妻に手渡していたところ、妻が全て自己名義の財産としていた。その後、妻が亡くなった際、妻の両親から妻名義の財産全てが相続財産であることを主張される。 - 弁護結果
妻名義の財産の半分は依頼者が実質的所有者であり、相続財産ではないことを前提に、法定相続分に従った遺産分割協議を成立させた。
初回の相談(30分)は無料です(事業者を除く)。
30分を超えた場合や2回目以降の相談は30分5500円(税込)となります。
1.遺産分割事件
(1)遺産分割協議
16万5000円(税込) |
(2)遺産分割調停・審判
33万円(税込) |
※遺産分割協議事件から遺産分割調停・審判事件に移行する場合、その時点で追加着手金16万5000円(税込)が発生します。
報酬金(遺産分割協議、遺産分割調停・審判 共通)
経済的利益の額 | 手数料(税込) |
---|---|
300万円以下の部分 | 17.6% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 11% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 6.6% |
3億円を超える部分 | 4.4% |
※経済的利益は、対象となる相続分の時価相当額になります。ただし、分割の対象となる財産の範囲及び相続分に争いのない部分については、その相続分の時価相当額の3分の1の額を経済的利益とします。
2.相続放棄の申述申立事件
手数料
11万円(税込) |
※相続放棄をされる方の人数が増える場合や、次順位の相続人も引き続き相続放棄の申述を申し立てる場合には、追加手数料が発生します。
3.遺言無効確認請求事件
22万円(税込) |
経済的利益の額 | 手数料(税込) |
---|---|
300万円以下の部分 | 17.6% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 11% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 6.6% |
3億円を超える部分 | 4.4% |
※経済的利益は、遺産総額に対する相続分になります。
4.遺留分減殺請求事件
22万円(税込) |
経済的利益の額 | 手数料(税込) |
---|---|
300万円以下の部分 | 17.6% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 11% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 6.6% |
3億円を超える部分 | 4.4% |
※経済的利益は、対象となる遺留分の時価相当額になります。
5.不在者財産管理人選任申立、失踪宣告申立、成年後見開始審判申立事件
手数料
22万円(税込) |
6.遺言書作成
(1)定型の遺言作成
11万円(税込) |
(2)非定型の遺言作成
遺産額 | 手数料(税込) |
---|---|
300万円以下の部分 | 22万円 |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 1.1% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 0.33% |
3億円を超える部分 | 0.11% |
(3)遺言の執行
遺産額 | 手数料(税込) |
---|---|
300万円以下の部分 | 34万6,500円 |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 2.2% |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 1.1% |
3億円を超える部分 | 0.55% |
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